『ダメツナーッ!!』
『こっち来んじゃねーよ!!』
『馬鹿が移るだろ!!』

僕は、ずっと独りなんだ





―――HidE aND seEk...














学校の裏には小さな雑木林がある
その中には一本の吊り橋、その奥にある木の洞窟
そこは僕だけの場所誰も知らない、誰にも邪魔されない
僕だけの秘密の空間

そこに入ると異変に気付いた
誰かの存在を感じた

「…誰か、いるの??」

音を発てながら風が吹く
それが彼の姿を明らかにした

「…わぁ……」

そこにいたのは太陽によく似た小さな君
不思議と、笑ってるように見えた

「…君、僕といると馬鹿になっちゃうよ…??」

君は何も言わなかった

「…一緒に…いてくれるの??」

静かに吹いた風と共に君は一度だけ頷いた
不意に涙が溢れた
小さな優しさがたまらなく嬉しくて

頬を伝う涙は、不思議と暖かかった



それから毎日僕は彼の所へ通った
雨の日も嵐の日でも毎日毎日吊り橋を揺らす
今日はいつも無口な君にお土産を持ってきた
河原で拾った君によく似た太陽の石

『喜んでくれるかな…??』

期待で胸を一杯にし一歩踏み出した
その時何故か空がきらきらと輝いた



―――ここはどこ?? 僕は、君は…

がばっと勢いよく起き上がる
その瞬間視界がぐらりと歪みまた地面に横たわる
ゆっくりと瞳を開けると空はずいぶん狭くなっていた
あれからどれぐらい時間が経ったのだろうか
身体がズキズキと痛む
君はどうしているんだろう

もしかして…??

息を思いっきり吸い込んで
精一杯の声で叫んだ
最後の力を振り絞って君に僕の無事を知らせるために
君はあの頬の冷たさなんて一生知らなくていいから
僕はここにいるこんな怪我、大したことない
大丈夫だよ、ちゃんと傍にいるから



それからも雨は容赦なく僕の体を打つ
止まない雨にどんどん流れる、血

このまま僕は死ぬのかな
…もし生まれ変わったなら君の様な姿になれれば
僕は皆に愛してもらえるかな??
心はチクチクと痛むけど気のせいだろう

もう一度息を深く吸い込んだ
だけどもう大きな声は出ない
でも寂しくはなかった
考えてみたら君に会ってから僕は一度も泣いてないんだ
だからそれだけで君に会えただけで、僕は


「…十代目ッ!!」

死を覚悟したその時
聞きなれた懐かしい声がした

「…ごく…でら君…??」
「十代目…良かった無事で!!」
「……??」
「十代目が行方不明と聞いてクラスの奴らでずっと捜してたんすよ…!!」
「みんな…が…??」
「当たり前です!!皆十代目のことからかってたんすけど、
 十代目がすごい傷付いてたって聞いて……」
「そっ、か…」

みんな僕のこと嫌いだった訳じゃないんだ
ずっとずっとからかってただけ…

「もう、独りじゃない…??」
「独りなんかじゃないっすよ!!ずっと、俺が傍にいます」
「…約束…??」
「はい!!」

ポロポロと涙が落ちる
その言葉を、その言葉だけを僕は望んでいたのかもしれない

「な…泣かないで下さい!!ぇっと…あ、これどうぞ!!」

慌てながら獄寺くんが取り出したのはキラキラと光る飴玉

「…キレイ」
「お気に召しましたか!?」
「…ありがとう」



それから暫くして
怪我もキレイに治り僕たちは君に会いにいった

でもそこに君の姿はなかった

かわりに僕たちの目の前に広がっていたのは黄色と白の世界

「キレイなたんぽぽですね…」

ふわっと柔らかく風がふいた
舞い上がる白いたねはまるで僕たちを祝福するかの様に

「…ありがとう」




――独りの心 君と僕とのかくれんぼ

             haid and seek... dande lion by BUMP






所々文章がおかしい…いや、全部??

友達に頼まれて書いたものでしたね
BUMP OF CHICKENのダンデライオンが元になってます。